ライフジャケットで守られる大切な命
現在”釣り”が若い女性たちのあいだでブームになってきていて、
釣り人口は右肩上がりに転じつつあります。
昔は釣りと言えば、エサ釣りの代表例サビキ釣りなど特に
・クサイ
・汚い
・気持ち悪いなど、
あまりいいイメージがもたれなかったものが、現在では
・手を汚さないフルーティーな香りのする
チューブ式のオキアミ
のエサを使えば汚れない。
・無料釣り道具一式貸し出し~手ぶら歓迎~
といった若者中心にクリーンなニーズがマッチしたものになってきている背景が、この「釣りブーム」の追い風になっているのではないかと思います。
しかし、無知な人ほど危険にさらされやすい。
ブームにより釣り人口が増えることは、一概に喜べません。
安全面において、しっかりした正確な情報の発信や受信、必ず釣行前の事前準備をしないといけません。
でなければ、
釣りは危険な趣味になってしまうのです。
どうしてもライフジャケットは、はじめて釣りをするにあたって、必要性や重要性を軽視したり、疑問を持つ人がいるのも事実です。
ライフジャケット着用の一番の目的は大事な命を守るためなのです!
Q: ライフジャケット未着用での生存率は? |
A: 海に転落した場合の生存率は 約3割
つまり7割の割合で亡くなる人がいるということです。
自分が若い頃は泳ぎも得意で、「何かあっても大丈夫!」
という人もそれは20代までの話です。
30半ばから40歳を超えてくるとそうはいきません。
あれだけ過信していた自分の体力なんて、日頃から鍛えていない限り無理です。
今回は「ライフジャケットの正しい使い方」を理解していただく為、目次に沿って説明していきます。
最後まで読み終わったら、しっかりと理解ができるようになりますよ。
<目次>
1.ライフジャケットの着用目的 2.ライフジャケットの種類 3.ライフジャケットの使い方 4.ライフジャケット使用時の生存率 5.子どもへのライフジャケット着用推進 |
1.ライフジャケットの着用目的
数十年前はライフジャケットを着用することは義務ではなく、
必要であればレンタルして着用していたことが多かったのではないでしょうか?
それでも着ていない人がほとんどだったと思います。
昭和50年の頃、全国で4、600件ほどの水難事故が発生、
3、200人弱の死者・行方不明者
からはじまり、
平成11年には発生件数2、000件を下回り、
平成14年には1、000件を下回りました。
なんと平成30年には692人まで減少したのです。
平成30年の警察庁の概況(平成30年度)
〈死者・行方不明者 上位4県〉
という順番で死者・行方不明者が多かったそうです。海岸線の長い特徴がある県が目立ちますね。
6~8月までの間に年間水難件数の50%以上の事故が発生します。
特に沖縄県では毎年この時期になると大勢の観光客で賑わいます。
以前ニュースで、「今年の水難事故が前年比で約5倍にも跳ね上がりました」
という報道があったくらいです。
残念なことにそのほとんどの人がライフジャケットをしていなかったそうです。
◎水難事故の内容
「魚捕り・釣り」の時が一番多く、全体の割合の30%に達しています。
(*特に18時~5時の間の時間帯で、死者・ 行方不明者数が断トツで多い)
~もしライフジャケットを着ていなかったら?~
📺
「一人で釣行するとき」
あるいは
「複数人で釣行するとき」
で、危険度数は変わります。やはり一人で釣行する場合のほうが、周りに誰もいないわけですから危険です。
最悪の場合、命を落とす確率が高い。
反対に複数で釣行する場合は、
万が一があっても、最小限に危険のリスクを抑えれる確率が高いのです。
2.ライフジャケットの種類
ライフジャケットの種類のメインは、「浮力体式」タイプと「膨張式」タイプです。
「浮力体式」タイプライフジャケットとは、
高い浮力を持ち、幅広いジャンルで使われることが多いライフジャケットです。安全性は信頼できます。ポケット付きが一般的で、小物など入れられるのも嬉しいです。
他のタイプのライフジャケットに比べ値段も安価になっており、あとから説明する
膨張式タイプの浮き輪のように、破れて使えないこともありません。
めんどくさいメンテナンス管理も特にありませんので、きれいに管理しておけば長く使えますよ。
しかし、
少し動きにくく窮屈に感じる点がデメリットとしてあります。
夏は暑苦しい‥‥
冬は厚着などで着苦しい‥‥
実際のところ、嫌な疲れを感じ、浮力体式のライフジャケットを嫌う人も実は多いのです。
『まずは膨張式タイプがオススメです!』
膨張式タイプの良い点は、断トツに軽いこと。なので浮力体式とは違い、
身軽に釣りに集中できるのです。オシャレでスタイリッシュなものが多くカッコイイ!です。
中に炭酸ガスボンベが入っており、通常はコンパクトに格納されています。
入水時に中の浮き袋が自動または手動で膨らむ仕様となっている。つまり、
水に反応し炭酸ガスで浮力体が出てくるのが、この「膨張式」です。
デメリット点をあげるとすれば、
管理をしないといけないところでしょうか?
定期的なメンテナンスをすることで安全性を保つことができるのです。
👇実際の商品での説明です
「自動膨張式」タイプライフジャケット
◇ベストタイプ◇
◆腰巻きタイプ◆
「ベストタイプ」と「腰巻きタイプ」の2パターンがあります。
■このライフジャケットは「CE規格」取得製品!
CE規格とは
・CE規格とは、EU(欧州連合地域)で販売される 指定の製品に、基準適合マークの 貼り付けを義務付ける。
つまり、これは『必須安全要求事項に適合』 という意味を表します。
あらゆる製品にはさまざまな制約があり、 これらをパスした製品は安全であると 認められます。 EU国内での流通・販売されている CE規格の製品は、安全の 証明が認められているのです。 |
~ライフジャケットのメンテナンスと使用前点検~
■メンテナンス
・使ったあとのライフジャケットは よく乾かすこと
・長時間保管するときは、そのまま地べたに 置いておくのではなく、ハンガーに 吊り下げて型崩れがないようにすること
・直射日光の当たる場所には置かないこと
・自動膨張式は湿気の多い場所や雨ざらしの 場所には絶対保管しないこと (水分を感知し、膨張することがある)
・2年~3年ごとにボンベやスプールを交換すること |
膨張式タイプの場合は、消耗品でメンテナンスを必要とします。
ライフジャケットは、海水で使用したときは、水道水で特によく洗ってください。
その後はカビの発生を防ぐためにしっかり自然乾燥させます。そうすれば各種パーツを良好な状態に保つことが大事です。
それからボンベやスプールも外すことで水洗いができます。
雨や波しぶきで濡れたままの格好で車内で保管をした場合、運悪くセンサーが水を感知し爆発することもあるので注意が必要です。
■使用前点検
・カバーやベルトの損傷はないか?
・ホイッスルは壊れていないか?
・反射テープははがれていないか?
・バックルに損傷などないか?
・ボンベやスプールは未使用であるか?
・気室に穴は開いていないか?*1 |
~簡単!気室の空気漏れの確認方法~*1
・吸気チューブから空気を口で吹き入れ、 気室をいったん完全に膨らませます
1日ほどそのままにして、もし気室が しぼんでいたら穴が開いていることになるので、 その場合は絶対使用しないでください! |
3.ライフジャケットの使い方
◇ベストタイプ◇
①バックルを外し、向きを間違えないようにライフジャケットを首にかけます
②背中にあるセンターベルトが中心にくるように位置を合わせます
③バックルをしっかり固定してください。もし固定がしっかりされていない場合は、落水の 際の衝撃で外れてしまうことがあります
④緊急時に手動レバーがすぐ引ける状態であるか確認しましょう
◆腰巻きタイプ◆
①バックルを矢印方向に押して外します
②後ろから背中に密着するようにベルトを調整しバックルを外します
③バックルをしっかりと固定されるまではめこみ、ゆるみがないかなど調整します
4.ライフジャケット使用時の生存率
Q: 落水してもライフジャケットを着ていれば、 絶対命は助かるの? |
A: 答えは残念ながらNOです。
確かにライフジャケットをしっかり着用していれば体は浮いて、生存の確率は高くなります。しかし低体温症というものを忘れてはいけません。
水は大気の25倍もの速さで体温を吸い取っていくそうです。
低体温症は、冷たい水によって体温を奪い、内蔵の温度を下げます。
臓器不全を起こし、死に追いやる危険でとても恐ろしいものなのです。
もしそういう状況になった場合、特に潮の流れが強く、泳いでも戻ることができ
ないと思えば、体力を温存するためにできるだけ動かず、丸くなって体全体の表面積を少なくします。
そうして水に熱をとられにくい姿勢をとり、救助を待ちましょう。
■緊急の場合時3つの確認事項
①自動膨張の場合でも、万が一壊れていることも 想定し、手動レバーを引ける状態にしておく
②ホイッスルを吹いて周りに 自分の存在を知らせること
③浮力が少し足りないなと思った場合は、 自分で空気注入バルブから空気を吹き込むこと |
■助ける側の対応
①すぐには水辺へ飛び込まないこと 落水者はパニック状態になっていることが 考えられるので、とっさの反応で飛び込むと、 二重事故になりかねないのでやめましょう
②とにかく冷静になること 落水者も自分もパニックにならないよう 呼びかけ落ち着かせましょう
③救出できそうなものを素早く差しのべること 水に入らないで助けれる手段を冷静に判断し、 周りに複数釣り人がいれば手分けしたり、 救出できそうなものを使い、 落水者を救出しましょう
④救助を依頼すること 最悪どうしようもできない場合は、 海上では「118番」、 内陸の湖や川では消防「119番」 に電話しましょう |
5.子どもへのライフジャケット着用推進
📺
<参考動画> 子どもの正しいライフジャケットつけ方
小さな子供の命を守ることは親の義務です。子供用のライフジャケットを選定するときは、
浮力体式タイプのフローティングベストが安心安全です。
子供がグズって多少窮屈だと感じていても、万が一のことを考えれば言うまでもありません。命の守る為にも言い聞かせましょう!
それから子供は大人と違い、体がみるみる成長していきます。
しばらく使ってないライフジャケットがあるならば、もういちど子供の体にしっかりと合わせ、ブカブカになりすぎないように「適応身長」「適応体重」などの事前準備の調整をしておきましょう。
■子どもライフジャケット
~浮力式タイプ~これだけ押さえてあれば大丈夫!
・気づきやすい色(オレンジ/黄色/赤)
・ホイッスルありのもの
・えり首に持ち手がついているもの (助ける側が引っ張ったりできるため)
・股ベルトありのもの |
もし落水したら‥‥
とうぜんですが体は沈んでいきます。なぜ「股ベルトあり」のものがいいかというと、ライフジャケットのみが浮力により水面に浮かんでしまい、下半身だけが沈んでしまう事態を防ぐためです。
それを脱衣防止する為に、しっかり股と脚を固定する「股ベルト」が必要なのです。
膨張式タイプは、利便性には優れるものの、万が一の時に破れていたり、故障したりと、中の浮き袋が正常に作動しない場合があったら自らの手で引っ張らないといけません。
自然界は人間の想定をはるかに上回ります。
落水の衝撃や潮の流れなど、パニックになったら大人でも冷静になってできるとは到底思えないことから、子供には浮力体式のライフジャケットを着させてあげましょう!
おわりに
野外のレジャーにおいても、その自然環境に対応できる装備が必要です。
「雨風を防ぐために雨具が必要!」のように、水に落ちたときは、「体を浮かすためのライフジャケットも必要!」ということです。
さまざまなライフジャケットがいろいろな場所で売っていますが、基本的に高価なものでなくて構いません。
大事なのことは「用途に合わせ、自分の体格に合ったものをしっかりと選ぶこと」なのです。大切な命を守るためのライフジャケットを、まずしっかりと選びましょう!
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