青森でイカ・鯖が獲れなくなる?『日本近海に起きている異変』
こんにちは!
皆さんは今『日本の海で起きているある異変』をご存知でしょうか?
それは『漁獲量の減少』
今、日本の至る所で、昔は獲れていた魚の数が減り、獲れる魚も減ってしまっているのです。
この背景には『乱獲問題』『養殖問題』『環境問題』などがあり、
様々な事柄が影響し合い今のようになってしまっているわけですが、
今回は昨今その中でも最も深刻な問題と思われる
『青森八戸イカ、サバ漁獲量激減問題』
について記事にしていこうと思います。
この問題は、年単位の不漁の類ではなく、
もしかしたら今後『八戸のイカ、サバが食べられなくなる』恐れのある問題なんです。
では一体、
今の八戸がどんな状況なのか?
何が原因でどんなことが起こっているのか?
などを書いていきたと思います。
目次
今青森八戸をはじめとした『日本近海』で確かな異変が起きている。
4月某日。
朝の八戸第2魚市場に競りに向けて多くの人が集まっていた。
この日は10隻ほどの船が集まり、
競り場に並ぶ木箱には今朝、水揚げされたばかりの
スケソウダラやホッケやアカムツがびっしりと詰まっている。
こうした普段から八戸の競りに馴染みのない我々からすると
『全然獲れているのでは?』
と思ってしまいがちだが、
以前はもっと大量に魚が撮れていたと関係者は言います。
【獲れる魚種の変化】
昔は青森で夏に獲れる魚のメインは『サバ』だった。
それが最近では漁獲量が激減し夏はほぼ全部が『太刀魚』に変わった。
本来『太刀魚』は和歌山や西日本の魚なのだが、
青森で揚がるということは『地球温暖化』による『海面温度上昇』の影響だろうか?
そもそも『アカムツ』も北陸の冬に多く獲れる魚なんですね。
【イカはもっと深刻】
『イカは昔に比べて減ったというような話ではなく”もう全然いない”』と関係者は話します。
4月現在はイカは休漁期の為イカ釣り漁船は出ていないのだが、
この日の競りでは『たまたま網に引っかかった』イカが数箱出ていただけ。
かつて『イカの町』と言われた八戸だが
2021年のイカの水揚げ量は前年比44%減の7842トンで
これは最盛期の4%程度の漁獲量なんです。
【サバに見られる変化】
八戸で例年8月ごろから取れるサバも、漁獲時期が11月までずれ込み、
すぐに千葉の銚子に流れていってしまった為、銚子ではサバがよく獲れたが
八戸は漁獲量が半減してしまうことに。
また銚子で獲れたサバも通常より一回り二回り小さく、
環境問題がサバの生育に影響しているのか?と懸念されている。
最近は不漁によって漁業関係者の『金銭的』な面まで歪みが出ている。
船1隻¥あたりにかかる経費は燃料代や人件費、保険などを含めて1億5000万ほど。
2016年頃までは1回の水揚げが2億2000万ほどあったが、
去年、一昨年は約1億2000万ほどに落ち込み船を出すほど赤字になる状態に。
こうした不況の影響は漁業関係者だけでなく『周辺事業者』にも広がっている。
【加工工場など】
八戸には『イカの塩辛』や『しめ鯖』などの加工工場が60以上存在する。
この工場ほ殆どが『2年前から八戸のイカは使っていない』と言います。
理由としては、
・安定した量が見込めない。
・獲れても単価が高く割りに合わなくなってしまう。
などの理由があり、『勿論、地元のイカを使いたいが、コスト的な面を考えるとアメリカやペルーなどの海外さんに頼らざるを得ない状況』だといいます。
【それでもこんなメーカーも】
中には加工品に野菜などの別の素材を加えたり、調理法を変えることで
そのロスに対応しているメーカーもあります。
ただこの不漁が続けば状況はどんどん苦しくなってしまいます。
ではなぜこのような状況になってしまっているのでしょうか?
八戸、水産資源の激減には『3つの要因がある』と専門家は指摘しています。
それが
・『魚種交替』
・『地球温暖化』
・『局所的な影響』
の3つです。これらが重なることが
『八戸での記録的な減少』につながっていると考えられています。
一つづつ詳しく見ていきましょう。
【魚種交替】(自然現象)
地球では絶えず大気や海水が流動し、20年ぐらいの時間をかけて暖かくなったり、寒くなったりする。そのため同じ海域でも20年周期の『温暖期』と『寒冷期』で獲れる魚種が変わることがある。
例えば1950年から1970年ごろまでの20年間、日本近海は温暖期でスルメイカとカタクチイワシが豊富に獲れ、マイワシは低調だった。ところが、1970年からの20年間は日本近海が寒冷期となり、スルメイカとカタクチイワシの漁獲がおよそ半減し、逆にマイワシが急激に増えた。
近年、このような『魚種交替』が起きている為漁獲量減少の要因だと言われています。
【地球温暖化】(人的要因)
日本周辺市域では地球温暖化の影響で水温上昇が顕著に起きています。
100年前と比べ三陸沖では0.8度程上昇。
日本海中部では1.8度程上昇している。
魚は自ら生息に適する水温があるもの。適さなければ移動していきます
その影響で本来、南の方で獲れていたサワラが2000年以降日本海で急激に増えたり
西日本の魚であるブリが北海道で急増しています。
【局所的な影響】
さらに、八戸のサバやイカは、水温変化の『局所的な影響』を大きく受けたといいます。サバは従来、太平洋北西部で千島列島に沿って北海道東部、東北・三陸、銚子のほうへと南下する回遊経路だったのですが、日本海から津軽海峡を抜けて流出してくる津軽暖流があるのでその暖流をサバが嫌って八戸を避けてしまっているのです。近年のサバの動きを見ると、道東や三陸の沖合にあまり近寄らず、離れて南下しています。
『魚種交替』と『温暖化』が重なることで本来2010年に寒冷期に入るはずのサイクルが
未だ温暖期が続いてしまっています。その為マイワシが増加傾向となり、イカとカタクチイワシは減り続けて今っている現状です。
そんな海洋環境の変化は青森八戸に限らず日本の至る所で起きています。
ここではその一部をご紹介します。
【豊後水道】(愛媛・大分)
愛媛県と大分県の間にある豊後水道は、北と南で生態が変わってしまっています。
北側は以前のままですが、南側はサンゴが広がり、沖縄のような海になっています。
サンゴは昨今、和歌山沖や千葉の館山沖などでも北上が確認されている状態で
明らかに『温暖化の影響』と言えるでしょう。
【磯焼けの拡大】(九州〜東北)
西日本のサワラが東北で獲れだしていますが、サワラは他の魚を食べてしまいます。
九州や沖縄で獲れていたアイゴも北上しているのですが、このアイゴは水温が16度以上になると食欲が旺盛になり、昆布やわかめなど海藻も食べてしまう。
これが広がると、いわゆる“磯焼け”という現象が加速します。
アワビやウニなどにも影響が出る。これが北海道や東北で広がると、おそらく水産業にとって大打撃になります。
イカは、海水温と海水の塩分濃度の変化を嫌い、近年、地球温暖化の影響で起きる集中豪雨や台風の影響で急速な塩分濃度の変化と海水温の変化をもたらし、イカの生息域が変化し、漁場が変わっている可能性もあります。
また、イルカやクジラなどの鯨類の捕獲が極度に制限され個体数が増加している影響で
鯨類の捕食対象のイカが捕食を避けるため、イカが群れを作っていないことも考えられます。
今後、私たちがこのような問題に向き合うためにも『明確な解決策』あるいは『思い切った節制』
が必要になってくるのかもしれません。
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