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日本における環境破壊の歴史

 

 

環境問題に対する危険性が日に日に拡大している昨今。

ここ100年の歴史における環境破壊のスピードは加速度的に上昇しており、

その速さは、これまでの人類史における環境破壊を『100年』で遥かに凌駕するほどです。

その問題は『世界的に最も重要な問題』と位置付けられています。

勿論、我々の住む『日本』も例外ではありません。

 

特に日本では『高度成長期』に入ってから、環境問題の進行が危険視されてきました。

では日本においての『環境問題』はいつ頃から始まったのでしょうか?

今回の記事では『日本における環境問題の歴史』を辿っていこうと思います。

 

 

目次

 

 

 

 

1・明治〜第二次世界大戦

 

 

明治〜世界大戦中

 

【精錬事業における大気汚染の始まり】

 

日本における公害の歴史は、明治時代(1868~1912年)の初期にまで遡ります。

 

当初、近代産業を代表する中心的な役割を果たした精錬事業の規模が次第に拡大する明治年間から大正年間(1912~1926年)にかけては、これらの地域で著しい大気汚染が発生しています。

 

当時の大都市には、至る所に精錬事業の町工場が集中して乱立し、大正年間には火力発電所の立地等によって大気汚染が進行しました。加えて、自動車交通による大気汚染も加わり複合した都市大気汚染が生じました。

 

明治中期から栃木県の足尾銅山愛媛県の別子銅山茨城県の日立鉱山といった銅の生成に伴う硫黄酸化物による大気汚染が周辺の農林水産業に深刻な被害を発生するまでに進行しました。

 

 

2・高度成長期

 

高度成長期前半

 

【石炭による大気汚染】

 

第二次世界大戦後におけるわが国の工業復興は早く、石炭を主要エネルギーとした工業復興は、各地で降下ばいじんや硫黄酸化物を主とする大気汚染問題を引き起こしています。

大気汚染の発生によって各地で住民の苦情が相次ぎ、東京都や大阪府などいくつかの地方公共団体で公害防止条例が制定されました。

 

この当時の大気汚染は、石炭を燃焼させた後に発生する黒鉛・すすが主な問題であり、集塵装置の導入によってかなり改善されました。

 

度経済成長の初期から全国の主な工業都市の住民に、大気汚染の影響によると考えられる呼吸器障害が発生しています。1955年〜1965年頃になると、硫黄酸化物やばいじん等による大気汚染によって視程は30~50mにまで落ち込み、自動車は日中でもライトをつけなければ運転できない状態であり、硫黄酸化物による鼻を刺すような臭いが立ちこめていたところもあったそうです

 

高度成長期後半

 

 
【公害の影響による四大公害病】

 

この時期は、大気汚染のみならず、水質汚濁、自然破壊、新幹線などによる騒音・振動などの問題も日本各地で顕在化し、深刻度を増していきます。

 

また、この頃には『工業地帯』の有害液体や有害スモッグを原因とする、『イタイイタイ病』『水俣病』『新潟水俣病』『四日市ぜんそく』が社会問題化し、これらの健康被害が産業型の公害によるものであることが明らかになっていきました。

 

こうした結果、経済成長と環境保全とを二者択一の問題ととらえ、「産業発展のためとはいえ、公害は絶対に許せない」とする国民世論が急激な高まりをみせ、ようやく公害対策に関する施策が総合的に進められることとなりました。

 

 

四大公害病

 

水俣病・・・熊本県水俣市に1953年~1960年にかけて発生。水俣湾の魚や貝を食べていた漁民や周辺の人が手足や口のしびれる症状が出て、死亡する人もいました。

原因は、付近の工場廃液にふくまれるメチル水銀が魚や貝に蓄積し、それを長い間食べていた人が発病したことがわかりました。

 

新潟水俣病・・・新潟県阿賀野川流域で1964年頃から起きた、熊本と同じ水銀による公害病で、第2水俣病と呼ばれました。

 

イタイイタイ病・・・富山県神通川流域で第二次世界大戦の頃から発生した公害病。

子供を出産した女性に多く発症し、手足の骨がもろくなり、激しい痛みが伴うので、イタイイタイ病と名が付けられました。 鉱山廃液にふくまれるカドミウムが原因であることがわかりました。

 

四日市ぜんそく・・・三重県四日市市を中心とした地域で1960年頃から発生。

多くの人が気管支炎やぜんそく、肝障害を起こし、死者も出ました。 石油化学工場から出る煤煙中にふくまれる亜硫酸ガスによる空気の汚れが原因でした。

 

 

3・昭和後半〜平成前半

 

昭和後半

自動車排出ガスによる大気汚染

 

昭和の後半になるとバブルが弾け、それを契機に大気汚染も新たな局面を迎えることとなります。

 

1973年及び1979年の石油価格の大幅な引き上げは日本に大きな影響をもたらします。

この頃硫黄酸化物対策を中心とする産業公害型の大気汚染対策の着実な進展します。

しかしそれとは裏腹にこの時期問題が顕在化してきたのが、都市・生活型の大気汚染です。

その発生源は、工場・事業場のほか、無数ともいえる自動車等の移動発生源であり、汚染物質としては窒素酸化物がその代表です。

 

平成前半

 

【都市・生活型大気汚染】

 

1990年代に入って、環境問題のグローバル化は一層進みました。国際社会においては、「持続可能な開発」が人類の現在及び将来の基本的課題であるとの共通認識が形成されました。

大気について現在大きな課題となっているのが、オゾン層の破壊、酸性雨、地球温暖化との地球規模の環境問題への取組です。

 

これらの人類共通の問題については、先進国と開発途上国が協力して一体となった取組を行う必要があります。同時に、多くの開発途上国においては、都市の大気汚染を始めとする地域問題も激化しつつあります。

わが国には、地球的規模の環境問題への取組とともに、これら開発途上国が現実に直面する問題の解決にも協力が求められています。

 

 

 

4・平成後半〜現在

 

平成後半〜現在

 

2001年1月6日、中央省庁再編に伴い、環境省が新たに発足しました。環境省では、政府全体の環境政策の企画立案をはじめ、これまで環境庁が行ってきた仕事を引き継ぐことに加え、廃棄物リサイクル対策を一元的に行うことになりました。

 

環境省が担う取り組みは以下の3つです。

 

1)公害健康被害補償予防制度等の推進

 

2)自動車排出ガス総合対策等の推進

 

3)地球温暖化対策等の推進

 

 

 

現在も環境に向けての取り組みは『世界規模』で行われており、『SDGs』をはじめとした条約を設け日々の取り組みに努めています。

僕らも『個人規模』でできることは何か考え取り組んでいく努力が必要なのかもしれません。

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